食品工場の服装は、商品の安全性を確保するためにも、厳格なルールが求められます。2021年6月からはHACCP（ハサップ）に基づいた衛生管理が必須となり、食品衛生の基準はより厳しくなっています。
そのため、自社工場で異物混入や食中毒のリスクを低減させるために、服装のルールをどう定めるべきか悩んでいる担当者も多いことでしょう。
本記事では、食品工場での正しい服装や身だしなみのルール、ユニフォームを選ぶ際のポイントを解説します。食品工場のユニフォーム選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
食品工場の正しい服装・身だしなみのルール｜作業着を選ぶポイントも紹介
食品工場の服装・身だしなみで守るべきルール
食品工場の服装や身だしなみで守るべきルールは以下のとおりです。
- 帽子をかぶる
- ひげを剃る・過度な化粧はしない
- マスクをつける
- アクセサリーをしない
- 作業前にクリーナーを使う
- ユニフォームを常に清潔に保つ
HACCPには食品工場の服装・身だしなみに関する細かい規定はありませんが、衛生的かつ清潔であることは大前提です。
帽子をかぶる
食品工場での勤務の際は必ず帽子をかぶり、髪の毛は完全に帽子の中にしまい込みます。髪の毛は体毛の中でも落ちやすく、異物混入の原因となりやすいためです。
髪が長い従業員は結んでからヘアネットを着用します。帽子をかぶった後は、鏡を見て髪の毛が帽子からはみ出していないか確認しましょう。帽子は大きすぎず小さすぎず、それぞれの従業員に合ったサイズを選んでください。
ひげを剃る・過度な化粧はしない
食品工場ではひげを生やしたり、過度な化粧をしたりするのはNGです。
ひげを生やしていると不衛生になりやすく菌を持ち込む可能性があるため、ひげは剃りましょう。また、マスカラやつけまつげなどの華美な化粧は異物混入の原因になります。作業にあたる際は、必要最低限の化粧にしましょう。
マスクをつける
作業中は必ずマスクを着用します。マスクは、つばや鼻水、鼻毛などの異物混入を防ぐために必要です。さらに、鼻や口を無意識に手で触らないようにする効果もあります。
着用時は、マスクと顔の間に隙間ができないようにつけます。側面にマスク掛けがついているタイプの帽子を使用すると、帽子と肌の間に隙間ができないので、より衛生的です。
アクセサリーをしない
作業中のアクセサリー着用は、異物混入の原因となるため禁止しましょう。指輪やピアス、時計などのアクセサリーはすべて外してから作業に入ります。また、ネイルやつけ爪も異物混入の原因となるため、避けるべきです。
作業前に粘着ローラーを使う
作業前には専用の粘着ローラーを使用し、ユニフォームを清潔にします。粘着ローラーを上から下に向かってかけ、ユニフォームに付いたほこりや髪の毛をしっかりと取り除きます。
また、作業場の出入り口にエアシャワーを設置し、ちりやほこりをきれいな空気で吹き飛ばす方法も効果的です。
ユニフォームを常に清潔にする
食品の安全性を守るためにも、ユニフォームは常に清潔に保たなければなりません。ユニフォームを清潔に保つための具体的な方法は以下のとおりです。
- 毎日新しいユニフォームを着用する
- 業者にクリーニングを依頼する
- ユニフォームレンタルを利用する
なお、白に近い色のユニフォームを採用すると汚れが目立ちやすく、衛生管理が徹底しやすくなります。
食品工場のユニフォームを選ぶポイント
先ほどの見出しで紹介したとおり、食品工場で異物混入を防ぐには、従業員が服装・身だしなみのルールを徹底する必要があります。しかし、それだけではなく、ユニフォーム自体も異物混入を防止する工夫がされたものを選ぶ必要があります。
食品工場のユニフォーム選びで重視すべきポイントは以下のとおりです。
- パーツの少なさ
- 静電気の起こりにくさ
- 機能性・快適性
- ゾーニングに対応できるか
それぞれのポイントを詳しく解説します。
パーツの少なさ
食品工場のユニフォームでは、パーツの少なさが重要です。服にボタンなどの細かいパーツがついていると、作業中に外れて商品に混入する恐れがあります。ボタンの代わりにファスナーを使用しているものや、ズボンのウエストがゴムになっているものなど、シンプルなユニフォームが望ましいです。
また、ポケットが付いたタイプだとポケットの中にほこりが溜まったり、物を入れたままで作業に入ってしまったりします。作業場には可能な限り異物を持ち込まないのが基本です。ポケットがないか、腰より下にあるユニフォームを選ぶとよいでしょう。
静電気の起こりにくさ
静電気の起こりにくさも、ユニフォーム選びの大切なポイントです。静電気が発生しやすい素材でできたユニフォームはほこりや髪の毛などが付着しやすく、それだけ作業場に異物を持ち込むリスクが増えます。
導電性繊維や帯電防止加工が施されたユニフォームを選べば、静電気の発生を抑えてリスクを軽減できます。
機能性・快適性
ユニフォームが衛生的なのは前提として、作業者にとって動きやすくて快適なのかも重視したいポイントです。食品工場では長時間作業を行うため、作業者が動きにくいユニフォームでは生産性が落ちやすいです。
例えば吸湿性や通気性に優れた素材や、従業員の体に合ったサイズのユニフォームを選びましょう。
ゾーニングできるか
ゾーニングとは、「区分する」という意味がある外来語です。ゾーニングに対応するために、ユニフォームにカラーバリエーションがあるかどうかもチェックすべき点です。
HACCPでは「汚染・準清潔・清潔」の3つの区域を分ける「ゾーニング」という考え方があります。服の色を区域ごとに分けておけば視覚的に区画が分かりやすくなり、衛生管理がしやすくなります。
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食品工場の服装や身だしなみのルール、ユニフォーム選びのポイントを紹介しました。異物混入や食中毒事故を防ぐためにも、食品工場のユニフォームは清潔であることが第一です。
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